サービスデザインのプロセス

 「THIS IS SERVICE DESIGN THINKING. Basics」も参考にしながらサービスデザインの具体的な進め方をまとめたのが以下の図です。
 大前提として、これらのプロセスはデザイナーとステークホルダーが一緒になってグループワークすることが重要です。(前述の「参加型デザイン」)。
 まず前提となるビジネスゴールを全員で確認後、1.DISCOVERでは、対象となる顧客(ペルソナ)の問題を認識することに専念します。
 この時に良く用いるのがカスタマージャーニーマップ(As-Is)であり、ペルソナが一連の活動において、どのような良い経験、悲しい経験をしているのかを書き出します。行動観察を行うと第三者でも共感しやすくなります。
 図にあるように顧客が不愉快、苦痛、不便と感じているペインポイントが解決のターゲットとなります。

 2.DEFINEでは、ペインポイントを鳥瞰して解決のアイデアを創造します。最初は個別のペインポイントに着目したアイデア出しとなるが、それをブラッシュアップしていきます。
 3.DEVELOPは試作のステップです。まずは創出したアイデアを採用した場合の新しいカスタマージャーニーマップ(To-Be)を作成します。そしてその新しいシナリオをロールプレイやプロトタイピングなどの手法を用いて評価します。ペルソナの代表に参加してもらうのがベストです。良い評価が得られない場合は、2.DEFINEに戻ってアイデアの再検討を行い、再びDEVELOPを実施します。
 詳細な検討においてはサービスブループリントを作成する場合もありますし、ECサイトなどでは、メンタルモデル+ストーリーボードを作成する場合もあります。ツールはいろいろとありますので、ケースにあったものを採用することになります。

 数度のTry & Errorを繰り返し、良い評価が得られそうだということになれば、4.DELIVERの事業ブランの作成にとりかかります。
 その最初に行うのがビジネスモデルキャンバスの作成です。スポンサーや関係者に対して事業プランの説明を行います。OKが出れば、具体的な組織設計や業務設計、システム設計など構築フェーズに入ることになります。