前回To-Beのカスタマージャーニーマップの限界について記載しましたが、顧客経験の設計に限定すれば有効なツールではあります。
一般にサービスデザインでは複数のツールを組み合わせて設計します。
私がお勧めする方法は、アウトラインからスタートしてイテレーションを繰り返しながら詳細化するアジャイル的なアプローチです。
以下、VWのイノベーションチームの実例を踏まえながらご紹介していきます。
To-Beのカスタマージャーニーマップを作成したのちに、次にそれをストーリーボードで可視化します。
出典:The privacy vs. convenience dilemma of “PaketAuto”,A service design challenge, Daniel Canis,
SDGCC2015,P11
このようなスタートからエンドまでイラストで書き表されると、非常にイメージしやすいですね。
残念ながら、私もそうですがこのような描画力がない人も多いので、その場合は、Scenesを使います。
具体的なイメージが関係者間で合意されると、いよいよその具体的なしくみについて設計します。
その際に用いるのがサービスブループリントです。
一般には以下のような書式が紹介されています。
最下行の「アピールポイント」はカスタマージャーニーマップからの移植です。
このような書式を用いる時に、多くの人々が陥るのが、書式を頑なに守ろうとすることです。その必要はありません。使いやすいようにアレンジするべきだと私は考えます。
先のVWのグループでは下記のようにアレンジしています。誰が何をするのかをより明確に設計しています。この考え方はBPMと同じで、UMLのアクティビティ図やBPMNで使われるスイムレーンの考え方を移植しています。
出典:The privacy vs. convenience dilemma of “PaketAuto” A service design challenge, Daniel Canis, SDGCC2015,P19