IoTとサービスデザイン

IoTには二つのグループがあります。

 

一つはGEのIndustry Internetに代表される、新しいサービス事業を生み出すもの。

もう一つは、Industry4.0として紹介されている、MESの発展形のもの。

 

システムのアーキテクチャからみるとどちらも同じですが、直接的な目的が異なります。

ここで、「直接的な」と書いたことに注意してください。

Industry 4.0も有名なHarley Davidsonの事例に紹介されるように、結果的にはリードタイムや品質を向上させることによって、顧客への価値提案を高めようとしており、最終的なゴールはいずれのグループも同じです。

 

(どうもそのような理解もなく、ごちゃまぜに紹介されていることが多くて困惑します)

 

さて、ここでは分かりやすいGE型の方について説明します。

 

GE型のIoTの本質については、ポーター先生が下記の論文をHarved Business Reviewに掲載されています。

How Smart, Connected Products Are Transforming Competition

 

リンクを埋め込んでおきましたので、是非読んでください。いろいろなメーカーのソリューション資料を読むより、よっぽどわかりやすいです。また、ダイヤモンド版の日本語訳よりも原書をお勧めします。

 

IoTは、Smart Connected Products と Product Cloudの組合せによって実現されます。

論文中に「The New Technology Stack」という節がありますが、この図を見るだけで、全容は掴めるはずです。そして、基本的な要素はクラウドサービスとして既に提供されていて、我々が考えなければならないのは、最上層である「Smart Product Application」を考えることだけであると気づいて頂きたいです。

 

さて、その検討にあたって、サービスデザインを用いるのですが、GEでの適用事例は次回ご紹介するとして、IoTによって、どのような顧客経験を提案するのか、IoTの先駆者であるKOMTRAXが最も素晴らしく、かつ分かりやすい事例です。

 

今回は最後にそのことについて詳しく記載されているサイトをご紹介しておきます。

KOMTRAX:コマツ建機の美しいビジネスモデル