GE型 IoTとサービスデザイン

GEが進めるIndustry Internetの中核となっているがIoTのプラットフォームであるPredixとそのプラットフォーム上に構築されたPredictivityのソリューション群です。

GEは単なる機器販売ビジネスではなく、予防保守や修理を含めた資産の全体的なオペレーション管理を保証するCSA(Contract Service Agreement)をビジネスの中核の一つとしていました。

2009年に次のビジネスモデル変革を目指してインダストリアル・インターネットの開発に着手したわけです。

 

さて、オープンでグローバルなネットワークによって機器、データ、人を結び付け、データの統合と分析によりリアルタイムで予防的なソリューションビジネスを構築することを目指したのですが、多くの製造業と同様に一つ一つの製品につき、それぞれ異なる基盤プラットフォーム、アーキテクチャ、テクノロジー、多数のベンダーが存在していました。

そこで、社内に点在していたソフトウェアエンジニアを集結して、2011年11月にGEソフトウェアを立ち上げ、GE全体で機能するソフトウェア・プラットフォームを構築したわけです。

 

こうして、共通ソフトウェア・プラットフォーム「Predix」と、その上で動作する一連の「Predictivity」ソリューションが構築されたわけです。

 

この「Predictivity」ソリューションですが、極めてニッチな製品です。

例えば「Flight Efficiency Services(FES)」は、燃料削減をはじめとした総合的なオペレーション効率の向上に取り組む航空会社をサポートするサービスですし、

「Wind PowerUp」はカスタマイズされたソフトウェア対応プラットフォームで、環境や立地の状態を考慮しながら、風力発電所の出力を最大5%増加させることができるものです。

 

いずれも一件一件の効果は小さいのですが、件数が膨大であるため年間の効果は数十億円に昇るものもあります。CSAのビジネスを通じて鍛えられた顧客起点の発想のたまものですね。

 

こういう導入効果は、経営者はとても喜ぶものですが、現場の人たちはどうでしょうか?仕事の進め方が変わることや環境が変わることにすごく不安を感じ、導入に抵抗するものです。

 

その障壁を克服するためにGEが採用したのが、サービスデザインのアプローチです。

 

2015年のSDGCでGEからの発表がありましたので、次回その具体的な内容についてご紹介します。