GEにおけるサービスデザインの取り組みは、前回ご紹介したように、2015年のSDGCで発表されました。
タイトルは、下記です。
Co-creating the Industrial Internet
How GE is taking a collaborative approach to design the “Internet of Big Things”
分かりやすいタイトルですね。
以前にご紹介したように、サービスデザインの基本は「Co-Creation」です。ベンダーが提案してレビューするという形式ではダメです。日本のSIerが最も苦手とするスタイルですね。
以降は、この発表スライドからの引用です。
Predictivityを顧客に導入する際の手順は下記のように紹介されていました。以前に紹介したサービスデザインの基本的な進め方と同じですね。
Co-creationが必要な理由としては、下記の様に述べています。
未知のものに対する不安は全世界共通の課題ですし、仕事が変わることへの抵抗感もやはり同様に大きいものですね。
IoTに限らず、業務改革においてもCo-creationは有効であるといえます。
実際、彼らもCo-creationは、チャレンジングなビジネスエリアにおいて有効であるとしています。
したがって、GEでは先の導入プロセスのDiscoveryのフェーズではCo-creationを必ず適用するとしています。また、Pre-Projectの段階からCo-creationを適用するともしています。
プロトタイピングと同じではないかと考える人もいるかもしれませんが、決定的な違いは、次のスライドに示されています。
Porter先生も自らの論文で、IoTの開発はアジャイルでないとだめだと書かれておられましたが、GEの取り組みも見られるように、従来のシステム開発とは全く異なるアプローチが必要であることを理解して頂けるのではないかと思います。
残念ながら、SIerはもちろんコンサルティング会社もCo-creationを正しくファシリテートできる人材はほとんどいないのが現状です。上記のスライドの「Translate」は実に良い表現です。