前回までのデジタル・リテール、これまでご紹介してきたIoTやオムニチャネルなどのイノベーションは、「デジタルトランスフォーメション」と総称されます。
この「「デジタルトランスフォーメション」ですが、Wikipediaをみるとまず最初に以下の様に記述されています。
デジタルトランスフォーメーション(Digital transformation)とは、「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念である。2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が提唱したとされる。
ちょっと何か違和感がありますね。
一方市場調査会社のIDCは以下の様に定義しています。
「企業が第3のプラットフォーム技術を利用して、新しい製品やサービス、新しいビジネスモデル、新しい関係を通じて価値を創出し、競争上の優位性を確立すること」
冒頭の「第3のプラットフォーム」という言葉ですが、2014のITproまとめに既に解説が掲載されていました。
そのまま引用します。
出典:http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20140226/539724/?rt=nocnt
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第3のプラットフォーム(3rd Platform)とは、調査会社の米IDCが提唱しているコンセプトで、「クラウド」「ビッグデータ」「モビリティ」「ソーシャル」の4要素によって形成される情報基盤のこと。なお、第1のプラットフォームはメインフレーム、第2のプラットフォームはクライアント/サーバーを指す。
同様の概念として、米ガートナーは「Nexus of Forces」(力の結節)を提唱する。Nexus of Forcesでは、「クラウド」「モバイル」「ソーシャル」「インフォメーション」の4つを挙げるが、このインフォメーションとは、すなわちビッグデータのことだ。
このほかにも、ソーシャル(Social)、モバイル(Mobile)、ビッグデータを呼び換えたアナリシス(Analysis)、クラウド(Cloud)の頭文字を取ってSMACと呼ぶこともある。
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このうちビッグデータについてはAIに置き換えられつつあると考えて良いでしょうね。
さて、大事なのは世の中に、クラウド、ソーシャル、スマホ、AIといった環境が整ってきている、これを好機と捉えて、「新しい価値を創出する」ことです。
デジタルトランスフォーメーションの先駆者として良く例に出されているのが、UberやAirbnbです。彼らのビジネスモデルをみると、実にうまく第3のプラットフォームの4要素を使いこなしていることがわかります。
そのことについて、うまいこと使っとる、よー考えとると他人事でいててはいけません。怖いのは、かれらが既存市場を破壊してきていることです。他人事の様に考えていると、気づけば自分たちの市場がなくなっていたということが、ほんの数年のうちに起きてしまいます。そこを肝に銘ずるべきです。
我々はこれまで「しくみ」にとらわれてきて、その部分をアピールすることに慣れてきてしまっています。しかしながら、第3のプラットフォームの登場により、しくみは誰でも使えるものになり、そこでの優位性を担保することが不可能になってきています。
そこで今競争優位の鍵となるのが、「顧客価値」であるわけです。そして、その最も重要な切り口が「顧客起点で物事を考えこと」、すなわち、サービスデザインのアプローチであるわけです。
ということで、このブログの初回にまた話題が戻ってきました。