デジタルトランスフォーメーションは経営課題!

デジタルトランスフォーメーションとは

 

日本でのデジタルトランスフォーメーションの定義は、以下のIDCのものが良く引用されています。

「企業が第3のプラットフォーム技術を利用して、新しい製品やサービス、新しいビジネスモデル、新しい関係を通じて価値を創出し、競争上の優位性を確立すること」

 

ここにある「第3のプラットフォーム」もIDCが提唱しているコンセプトで、「クラウド」「ビッグデータ」「モビリティ」「ソーシャル」の4要素によって形成される情報基盤のことだそうです。

 

これとよく似た概念はおそらく2013年頃からガートナーが「Nexus of Forces」というコンセプトを提案し、「クラウド」「モバイル」「ソーシャル」「インフォメーション」の4つがこれからの世の中を変えるとシンポジウムなどでプレゼンしていました。

 

当時はクラウドインテグレーションやSOAに取り組んでいましたので、全くピンとことなかったのですが、E-commerceやデジタルマーケティングを3年間経験した結果、納得できるようになりました。

ただ、おそらくほとんどの情報システム部門の人々は当時の私と同じ感覚を今も持っていると思います。それほど業務系システムとフロント系のシステムとは感覚が異なるものなのです。

 

本論に戻ります。

デジタルトランスフォーメーションの先駆者として良く例に出されているのが、UberやAirbnbです。彼らのビジネスモデルをみると、実にうまく第3のプラットフォームの4要素を使いこなしていることがわかります。

 

そこで、日本ではすぐにクラウドを使っていますかとかスマホをうまく取り入れていますがという議論、つまりプラットフォームを使えているかどうかの議論になってしまいます。これは大変なミスリードです。

 

怖いのは、かれらが既存市場を破壊してきていることです。Uberの登場によってタクシー会社は存立の危機に追い込まれています。これはAmazonがBordersやRadio Shackを倒産させた状況と似ています。

欧米の企業は他人事の様に考えていると、気づけば自分たちの市場がなくなっていたと、いうことが、ほんの数年のうちに起きてしまうという認識があるので、経営課題としてとらえられているわけです。

下記にそのことを示すデータがあります。

出典:https://info.couchbase.com/2017_CIO_Survey_Report_LP.html

 

同様の調査結果がMIT SLoanの調査でも出ているのですが、引用ができないので、こちらを紹介しています。デジタルトランスフォーメーションが自分たちの市場を破壊するという強い危機意識を持っていることがわかります。

 

それに比べて、日本の状況、皆さんの状況はいかがでしょうか?ITのことだと考えている人々があまりにも多いのではないでしょうか?

事実、国会図書館の雑誌記事索引で検索しても、100件も記事がなくしかも多くがIT関連の記事でした。

これに対して、HBR.ORGでデジタルトランスフォーメーションで検索すると1800件以上もの資料がありました。

 

この温度感の差は、大いなる危機です。