前回、「デジタルトランスフォーメーションは経営課題である」という問題提起をしました。
Couchbase社が2017年5月に米国、英国、フランス、ドイツでデジタルトランスフォーメーションに積極的に取り組んでいる企業450社のCIOやCTOに実施したオンライン調査での「デジタルトランスフォーメーションのゴール」についての回答結果です。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/s1e8e96edf026b1d6/image/i5d9486f216bc2bfb/version/1504888746/image.jpg)
出典:https://info.couchbase.com/2017_CIO_Survey_Report_LP.html
図に示す様に、特に「Very Important」というところで、顧客経験の改善が他の成果と比較して割合が抜きんでて多くなっています。
そこで、改めて、「顧客やエンドユーザに頃までとは異なる顧客経験を提供することが、デジタルトランスフォーメーションのゴールか」という問いをした結果が、次の図になります。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/s1e8e96edf026b1d6/image/if9164b4c12301562/version/1504888469/image.png)
国によって若干の温度差はありますが、ほとんどの企業が、デジタルトランスフォーメーションの究極のゴールは、新たな顧客経験を提供することであると回答しています。
残念ながら、例えば経産省が中小企業に進めているIoTの推進施策はIndsustry4.0の視点、すなわち工場の可視化による生産性の向上という内向きの効果が中心になっているように、日本では「新たな顧客経験を提供する」という取り組みはとても弱いと言わざるを得ません。
いくら効率化してもそれを顧客価値に転換できなければ、その効果は極めて短命なものになってしまいます。
ただ、考えたくても、どのように取り組んでよいのかわからないというのが、本当のところだと思います。
それを考える方法論がサービスデザインであり、私がサービスデザインを日本にもっと普及させないといけないという強い危機感を持っている理由は、ここにあります。